2000年にできた成年後見制度がようやく浸透してきました。
制度の普及とともに、後見人による横領事件なども多発するようになり、その対策として、家庭裁判所は「後見制度支援信託」(おおむね500万円以上の現預金は信託銀行へ移し、後見人が自在に使えないよう塩漬けにする)を勧めることが増えました。
近年の法定後見のもうひとつの傾向として、親族後見人より専門職が選ばれやすくなっていることが挙げられます。
親族が後見人になると、相続が発生した時点で「お前だけが長年にわたり後見人として報酬を得ていた」、「いや、労力にみあうほどの報酬ではない」など、もめることもあるからです。
また、遺言の存在が知られていない場合に、後見開始によって、遺言の内容と抵触する不動産や預貯金の処分が行われてしまうという重大な問題もあります。
また、先述の「後見制度支援信託」によって預金が信託されてしまうと、信託された財産は相続人の財産からは切り離された“誰のものでもない宙に浮いたもの”となります。
被後見人の死亡時点で残された信託預貯金は、遺産分割協議の対象ともならず、法定相続人全員の共有となり均等に分けられます。
結果、被後見人が元気なうちに望んだ遺思は活かされず、不均等な財産分けとなってしまう場合もあるのです。
こうした予想外の事態を避けるためには、
などが挙げられます。
※家族信託は、「家族のための民事信託」の略称で、信託銀行の遺言信託(=遺言公正証書を預かるだけ)とはまったく異なる、資産活用のための仕組みです。
ひとりひとりにカスタマイズするものなので自由度も高いですが、精通した専門職も限られます。
民事信託推進センター会員として事例研究会に参加し、最新情報の収集に努めております。
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