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遺言とエンディングノートは、自分の意思を死後に遺すという意味では似ていますが、活用する目的や必要とされる場面が異なります。
図の通り、「エンディングノート」は気軽に書き始められる利点がありますが、法的拘束力は「遺言」にしかありません。
遺産や身分関係(たとえば、子の認知)などについて、法的に「こうしてほしい」という要望があり、きちんとした手続きを希望するなら、公正証書遺言を作成しておくべきです。
あくまで例示ですので、これ以外のかたでも必要とされる場合もあります。
☑子どもがなく、配偶者+親・兄弟姉妹が相続人となる
☑先妻の子と後妻の子がいる
☑実子のほかに、認知した子がいる
☑子どものなかで、特に財産を多く与えたいものがいる
☑財産を与えたくない子どもがいる
☑相続権のない孫や兄弟に遺産を与えたい
☑内縁関係の相手に財産を遺したい
☑生前世話になった第三者に財産の一部を渡したい
☑財産を公益事業に寄付したい
遺言の内容は、死後にしか知らされることはありません。
たいていは、納骨(七七日忌=しじゅうくにち)が済んだあたりから相続手続きに着手するでしょうから、その後に内容が明らかになります。
したがって、遺言に「葬儀はこうしてほしい」、「散骨にしてほしい」といったことを書いてあったとしても、読まれる頃には終わっていることになりかねません。
また、認知症になった場合の医療行為についての承諾事項(胃瘻はしてほしくない、輸血はOKだが内臓移植はイヤ、など)や、食物アレルギーのことなどは、遺言に書いても伝わりませんから、エンディングノートに書き留めておくことが大切です。
お気づきになられたかもしれませんが、エンディングノートには、「生前(認知症や事故などで意思確認ができなくなった場合に)に見てもらいたい部分」と、「死後に見てもらいたい部分(財産内容など)」とが出てくるはずです。
①生前でも、私の意思が確認できなくなったとき見てほしいエンディングノート
②死後にみてもらいたいエンディングノート
2冊のエンディングノートを作成するよう心がけましょう。①については、いつ用意しても早すぎるということはありません。②については、遺言を作成された場合で、葬儀や埋葬方法について特段の希望がない、あるいは親族にすでに意思を伝えてある(ので①に記入している)場合には、作成しなくてもよいでしょう。
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