スマートな隠居を、あらゆる世代へ

遺産分割協議がやっと調ったので登記をしようとしたら、法務局の人から、「一度、共有で相続登記してしまったあと、持ち分を変更登記したら、兄弟間贈与なので贈与税がかかるのでは?」と言われてしまいました。

母の相続です。

3人兄弟の長男は地方住まいのため、別荘をもらい納得しました。
残る資産は、現金200万円と、東京近郊にある自宅(土地の評価額約3000万)でした。
二男と三男はどちらも持ち家があり、いますぐ実家に住む予定はありません。しかし、幼少からの思い出の詰まったわが家。三兄弟それぞれ結婚したあとも、お盆と正月には皆が子連れで集まり、集合写真を撮ったわが家を、売りに出して換価分割する気持ちにはなれませんでした。

長男は、分割協議のため毎週末上京するのにも疲れ、「共有でもなんでもいいから、早いところ名義変更登記を済ませてくれ」と急かします。
二男も会社の同僚から、「遺産分割協議には期限があって、10ヵ月以内にしないと税金が高くなるはずだ」(※)と聞かされ、その期限が迫っていたため、とりあえず簡単な分割協議書をつくって二男と三男1/2ずつの共有で登記をしてしまいました。
※これは「相続税の申告の期限」の勘違いで、遺産分割協議には期限はありません。この相続では、葬儀費用などを控除すれば、ギリギリ基礎控除の範囲内でしたので、本来は、相続税の申告期限を気にする必要はありませんでした。

その後、話し合いを重ねたら「二男が名義を全部もらい、三男に現金を1000万円渡す」ということで落ち着いたのです。

前の登記は、相続に期限があると勘違いしての登記だから、前回登記に添付した遺産分割協議書は無効として、新たに分割協議をやり直したいとのこと。

具体的に前回作成の遺産分割協議書を見せていただいたところ、法務局の指導に従い不動産部分の表記をしてあるだけで、預金については内容さえ書かれていませんでした。

このケースでは、たまたま最初の協議書にかなりの不備があり、その遺産分割協議書のままでは銀行口座の解約手続きなどができないため、新たに遺産分割協議書を作り直し、はじめの登記を錯誤無効とすることができました。

しかし一般的には、いったん「相続」を原因とする登記をしてしまったら、その後のやりとりは「売買」の扱いになります。
遺産分割協議書に署名捺印するということは、「この分けかたで異存はありません」という意思表示となります。

くれぐれも、「とりあえず」で捺印することのないよう、ご注意ください。

●こちらOK行政書士事務所では、個別のお問合せを歓迎しております。
【メール相談2往復まで無料】➡こちらのメールフォームからどうぞ