スマートな隠居を、あらゆる世代へ

Okei

勝 桂子(ニックネーム=Okeiおけい):著書『いいお坊さん ひどいお坊さん』(ベスト新書)ほか
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行政書士・FPとして、遺言、相続、改葬、家族信託、成年後見、死後事務委任、リタイアメント後のライフプランなど終活分野全般の相談に応じ、法人向けには社団・財団の公益認定や、外国人招聘の入管業務をお手伝いしています。
また、生きづらさと向きあう任意団体<ひとなみ>を主宰し、宗教者や医師、士業者、葬送分野の専門家と一般のかたをまじえた座談会を随時開催しております。
※著書は「かつ・けいこ」で出版しておりますが、菩提寺で先代住職のときまで氏を「すぐれ」と読んでいたと確証がとれたため、読みを「すぐれ」と改めました。

ひとりで去るのは寂しい。
仲間が死んだら葬式くらいだしたい!

住民の思いが集結して、自治会葬をはじめた東京立川の都営住宅(通称:大山団地)が注目を浴びています。
紹介記事は、こちら

拙著『聖の社会学』でも書きましたが…

死ぬときのお金の心配は、しなくていいのが当たり前

なんです。

ところが、ここで私はふとギモンに思いました。
なぜなら私は小1から中3まで高島平団地に住んでいましたが、

当時は高島平団地でも、ふつうに自治会葬をやっていた!

んですよ。
団地のなかでも大きな棟の1F部分は集会所になっていて、
日ごろは書道教室や絵画教室として使われているんですが、
空いている日の夜にはときどき、通夜・葬儀が行われていました。

宮型霊柩車が来ることもありましたが、40年前当時、
それを「線香臭い」といって非難する声はありませんでした。

しかし今、こうやって自治会葬をやる団地が脚光を浴びるということは…
いつしか反対運動でどこの自治会も葬儀をやることと禁じるようになり、
きっと高島平でもやっていないということなのでしょう。

でも、たったの40年前ですよ。

余裕のある人は葬祭ホールで葬式をやって、お金に余裕がなければ自治会で葬儀をやればいい。
そう、まさに「死ぬときのお金の心配は、しなくてよかった」時代と思います。
そういえば……地方都市の下関ですが、20年まえに亡くなった伯父の葬儀も、集会所での通夜でした。

いまは、マトモな社会への折り返し点

ドリフの全員集合がなくなったころから、落ち着きのない生徒には病名をつけて〝通級〟させるようになり、病気や死という、誰にでもいつか訪れるハズの、でも〝効率と成績を気にする社会では、あったらちょっと困ること〟を忌避するような社会になってきたように思います。
全員集合があったころは、全国どこのクラスにも志村けんがいて、高木ブーがいて、加藤茶がいる、ということが許容されていましたから。

そしていま、自治会葬が見直され始めたということは、ここがまさに折り返し点なんじゃないかと。
葬儀のときのお金の心配など、しなくていいのが健全な社会です。

まともな葬儀供養を、取り戻していきたいものです。

「そろそろ始めなければ」と思うけれど、なかなか着手できない老いじたく。
皆さんがどのように取り組んでいらっしゃるのか、じっさいの声が知りたいと思いいろいろ調べていたところ、「本音マルシェ」というサイトのこのページにたどり着きました。

●ご家庭での終活
http://microcosmos-pro.com/cocotte/category/03/

雑用の科学社という会社が運営しているサイトで、KJ法を勉強したシニア女性たちが身近なさまざまなテーマについて、論理的かつ社会の意識向上のために活用できる方法で車座になって語らったり、それぞれ自宅で意見をまとめあげたりしているのです。
「雑用の科学社」という社名からもわかるとおり、世のなかに無駄な仕事などない、女性たちが家で着実にこなしてきたことの価値や意味を論理的に積みあげていこうという意欲と実践に満ちたサイトです。

そのサイトの終活特集で語られていたことを読んで感じたのは、「終活って、個人個人がそれぞれのペースで向き合わなければならないものなのだ」ということ。
おひとりさまでなくご夫妻でも、あるいは親子でも、どちらかが急かしてうまくいくものではありません。

モノの整理も財産の整理も、けっきょくはこころの整理なのです。

これまでの生きかた、向き合ってきたものやことがら、これからしたいこと。
それらをひとつひとつ見つめなおすことが、老いじたくそのものだということを、「本音マルシェ」の皆さんのコメントを読んであらためて実感いたしました。

新たなお墓を探したい!

関東近郊のセミナーで、「ご自身の入るお墓がすでにある人?」と尋ねると、
7~8割のかたが「ハイ」と手を挙げられます。
老いじたくのセミナーですから、参加者の年齢層は60~80代。
その年齢層で、いまだ2~3割のかたは「ついのすみかが決まっていない」、
あるいは「いまあるお墓には入りたくない」ということになります。

墓じまいして、継ぐ必要のないお墓を探す

人口減少期に入って後継ぎの数が減っているので、しまわなければならない墓が自然と増えています。

では墓じまいをした場合、すでに埋葬されている先祖の遺骨はどうするのでしょう? 続きを読む

昨今はきょうだい数が少なく、生涯独身の人の割合も増えています。
以前はきょうだい間でしていた生活扶助などを、いとこ間でおこなう場合もあると思います。

顧客でも、おたがいが80代になってからは単身独居のいとこどうし3者で月に数回は電話連絡を欠かさず、先に認知症状の出た1人が施設入所するまで、あとの2人が世話をなさった例がありました。
私自身も一人っ子で、結果的には30代で子を授かりましたが、20代の終わりに大病をしたころは、生き延びたとしても生涯独身だろうと思っていましたので、自分が親から継いだ不動産は、いとこの子(生まれてすぐから年に複数回会い、成長を見届けていました)に譲りたいと考えていました。

民法上の親族は6親等までだけれども……

民法上の親族は6親等までと規定されており、いとこの子は「5親等」です。
行政書士試験受験の際、「親も子もきょうだいもないのに遺言をのこさず亡くなった場合の財産は、その人の世話をしたなど特別縁故者を探し、それでも見つからなければ国庫へ入る」と聞いていたので、6親等までの親族で近年交流のあった人は探してもらえるものと信じ込んでいました。

ところが最近、相続関係の勉強会で複数の弁護士先生にうかがってみたところ、6親等以内でも、財産は国庫に入る場合のほうが多いことがわかってきました。
同居もしておらず、週に一度など定期的に訪問し掃除やごみ出しを手伝っていたわけでもなく、月に数回の電話連絡があった程度では、特別縁故者と認められるかどうかわからないとのこと。
また特別縁故者とされた場合も、「財産の全部または一部を与えることができる」(民法958条の3)とあるだけで、与えることにするかどうかは裁判所が決定します。弁護士さんの話では、特別縁故者が見つかった場合でも、一部しかもらえないケースも少なくないようです。

特別縁故者となるには、申し立てが必要

さらにいえば、「この人がもらってくれるだろう」と思っていたとしても、もらう側(いとこやいとこの子)が家庭裁判所へ自ら申し立てをしない限り、財産は国庫に入ります。

  • 特別縁故者に対する財産分与の概要については、こちら
  • 特別縁故者に対する財産分与の申立書は、こちらからダウンロードできます。

今回は「6親等以内の親族がいても、特別縁故者として認められなければ財産は国庫に入ってしまう!」というテーマなのでいとこ・いとこの子の例を述べましたが、この「特別縁故者に対する財産分与の申立て」は、もちろん介護をしていた、同居していたなど特別の関係があれば、血縁でなくても認められる場合があります。
ただし、報酬を得て世話をしていた士業者などは該当しません。

親も子もきょうだいもなければ、早いうちに「公正証書遺言」を

上述のとおり、「特別縁故者に対する財産分与の申立て」をするのはもらう側にとっても手間ですし、血縁でない人の世話をすすんでしてきたような人が、申立てするとも考えづらいものがあります。

ご承知のとおりわが国は社会保障費で毎年大幅な赤字になっているので、「国庫に入っても構わない(それもひとつの社会貢献)」と思われるならばいいのですが、誰しも遺骨になったあとひとりでお墓に歩いて行けるわけではありません。

最期の世話を誰かにお願いしなければならないのであれば、元気なうちにその相手となってくれる人との縁をつくり、死後事務(病院や施設から訃報を受け、火葬や指定の葬儀を出し、遺骨を所定のところへ納骨。場合によっては部屋の遺品整理やライフラインの解約まで含む)をお願いする代わりに残余財産を渡すという内容の公正証書遺言(〇〇をしてもらう代わりに財産を遺す=「負担つき遺贈」といいます)を作成しておくことをおすすめします。

 

空き家対策の一環で、「法定相続情報証明制度」がスタート

煩雑な相続手続きが放置され、名義人が故人のままでは売買も賃貸借もできない!――それが都市部における空き家問題の一因であるとして、法務省は「法定相続情報証明制度」を先月末から開始しました。

具体的には、これまでは、収集した戸籍一式(故人の生まれてから亡くなるまでの戸籍一式。きょうだい相続の場合は祖父母の死亡が確認できる戸籍まで必要)を法務局に持参して不動産の名義変更登記をおこない、原本還付してもらって同じ一式をA銀行へ持っていって口座解約手続きをおこない、ここでまた原本還付してもらってB銀行へ持っていって口座解約手続き……というように、分厚い戸籍一式をあちこちへ持ちまわる必要がありました。

今回の証明制度により、法務局が、誰が法定相続人であるかの証明書、すなわち「法定相続情報一覧図の写し」を複数枚発行してくれるようになりました。これによって、A銀行とB銀行とC証券会社と生命保険会社での手続きを、同時並行で一気に進めることが可能になったのです。

※詳しいイメージは、こちらの法務局パンフレットをご覧ください。

ここがポイント➡これまでの相続手続きでは、数ヵ月の時間と1通750円(現在戸籍のみ450円)の手数料をかけて収集した膨大な戸籍の束を、何ヵ所にも持ち運ばなければならなかったところ、1ヵ所の法務局へ持ち込むだけで、あとは紙一枚を持ち運べば済むようになりました!

煩雑な「戸籍収集」
「法定相続情報一覧図の写し」交付の申し出は、
行政書士へ

法定相続証明制度は、相続財産に不動産がなく、法務局での名義変更登記が必要ない場面でも、活用することができます。

法定相続情報一覧図の写し(=誰が法定相続人であるかの証明書)をもらうためには、今まで通り、法定相続人が誰であるのかを確認するための戸籍収集が先に必要となります。それに加え、「法定相続情報一覧図」(相続関係説明図と呼ばれるものを、法務省指定のフォームで作成したもの)の作成も必要となります。

これらの手続きは、行政書士にも依頼することができます。

 

●こちらOK行政書士事務所では、個別のお問合せを歓迎しております。
【メール相談2往復まで無料】➡こちらのメールフォームからどうぞ

空き家対策の一環として、非課税で寄進

個人が法人へ無償で土地を譲渡した場合、租税回避目的での無償譲渡である場合も多いので、市場価格での取引があったものとみなして算出される譲渡所得税が課されます。
しかし、ほんとうに公益のために土地を寄附しようとする場合にも税がかかってしまうのでは不都合だろうということで、一定要件のもと、この譲渡所得税を非課税にするのが、「租税特別措置法第40条第1項の承認申請」です。

 

この承認申請。従来は、

・責任役員6人以上
・評議員会の設置
・それぞれの役員のうち、親族等が1/3を超えてはダメ

という要件がありました。

宗教法人法は責任役員を「3人以上」としていますから、町なかにあるほとんどのお寺は、責任役員が3人の小規模運営です。
従来、土地等を非課税で寄進してもらうためには、↑の箇条書きの要件を揃え、規則変更をするという大きな手続きが必要でした。また要件を満たさなくなった場合はあとからでも課税されるので、あとから規模をまた縮小することもできません。

お寺の責任役員や評議員になろうというかたはご高齢のかたも多く、病気等で任期途中での交代や、亡くなる場合もあり、人数をあまり増やしては手続きが煩雑になるばかりです。そのため従来は、要件を満たす大規模な法人にしてまで寄進を受けなくてもいい… というお寺が多かったと思います。

責任役員3人のままでも、〝関係者以外〟からの寄進なら非課税に!

ところが、空き家対策の一環と思われますが、この春、非課税になる要件が拡充されました。

●詳しくは、税務署発行のこちらのパンフレットをご覧ください。

このパンフレットは、「その法人の役員など一定の人以外の人が、土地、建物などの財産を寄附した場合」の話です。責任役員や世話人およびその親族「ではない人」からの寄進であれば、パンフレット2ページ目以降にある「要件1~4」を満たすだけで承認特例の対象となるので、責任役員の数を増やしたりしなくても非課税の承認特例を受けられるようになったということです。

墓を継ぐ甥や姪はみな都会へ出て行ってしまったし、自分には子どもがないから家土地も使うものがいない。だったら、最後の看取りを住職にお願いして、お墓へ入れていただいたあとは、お礼として自宅の土地を寺へ寄進したい

なんていう案件が、これからは多数出てくると推察されます。

 

拙著『聖の社会学』(イースト新書)でも、お寺が死後事務の受け皿となることの重要性について述べています。
これからは、お墓を売りっぱなしではなく、契約した人が病気になったり認知症になったりしたら世話をできるようなお寺が増えてこなければならないと思います。

そのようなお寺には、地域のかたからの土地の寄進も相次ぐでしょう。
農地解放でとりあげられた土地は、聖の精神でとりもどすことが可能です。

入管法改正情報です。

在留資格「介護」の新設

以前から話題になっていた在留資格「介護」がいよいよスタートします。

留学中に介護福祉士養成施設で2年以上修学したうえで介護福祉士の国家資格を取得し、その後も介護の仕事に就く場合に認められます。

資格の更新回数に制限はなく、配偶者や子の「家族滞在」も可能。
生涯、介護福祉士として日本に住むことも可能となります。

偽装滞在者対策の強化

卒業証書や雇用証明書を偽装して在留資格の変更や更新、上陸許可、永住許可を受けた場合、「3年以下の懲役または禁錮」と「300万円以下の罰金」のいずれかまたは両方が科されることになりました。

また、営利目的でこれらの行為を促した者についても、同様の法定刑が科されることになりました。通常の幇助犯より重くなります。

在留資格取消事由の追加

一定の活動をすることを理由に在留資格を得ているにもかかわらず、正当な理由なく、その活動をしておらず、他の活動を行いまたは行おうとして在留している場合に、在留資格取消事由とされることになりました。

従来は、在留資格に応じた活動を3ヵ月以上行っていない場合に初めて在留資格の取消しが可能とされていましたが、これからは3ヵ月に満たなくても取消事由となる場合がありますので、注意が必要です。
●詳しくは、法務省入国管理局のこちらのページへ。

墓地を返還するときは、撤去工事をして更地にして返還します。

その工事費用の相場は、1坪あたり10~15万円といわれます。
お墓の1坪は半畳なので、ふつう程度の広さで20~30万円かかることが多く、少し大きめの墓地であれば40~50万になることもあります。 続きを読む

お寺との関係は特段悪くないけれど、都市部に住む子どもたちが墓参しやすいように、納骨堂を契約してくれたから、故郷の墓は撤去(墓じまい)したい。

というご相談が増えています。でも、ちょっと待ってください!  続きを読む

両親のうちひとりが認知症で、認知症でないほうの親が先立ったケース。公正証書遺言さえあれば… という残念なご相談がありました。 続きを読む

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☞【新刊】『心が軽くなる仏教とのつきあいかた』(1500円+税)
 11月28日啓文社書房より刊行予定です。

・11月22日(水)、24(日)「お墓のみとり」(東京・大阪)にてお話しします。
・11月28日(火)曹洞宗有道会全国大会にてお話しします。
・12月9日(土)埼玉県立正寺にてお話しします。
・12月16日(土)「誇り塾」(黒田記念館)にて田中利典さんとお話しします。
【2018年】
・春から6回シリーズで、埼玉県立正寺にて連続講座開催予定です。
・1月25日(木) 総和会埼玉県支部にてお話しします。
・2月6日(火) 愛媛県西条市の佛教青年会にてお話しします。
・2月28日(水) 埼玉県佛教会の入間東部支部にてお話しします。
・6月5日(火) 関東総和会シンポジウムにてお話しします。
・10月25日(木) 浄土宗山形教区にてお話しします。
・11月1日(木)総和会山形支部にてお話しします。
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【過去の情報】
・11月6日(月)曹洞宗有道会東京大会にて、パネラーとして『寺院消滅』の鵜飼秀徳氏、「月刊住職」の矢澤編集長とともに登壇しました。
・11月2日(木)曹洞宗学術大会にて「正法と法律 ~AIBOの供養とペッパー導師で考える~」を発表しました。
・10月19日(木)真言宗智山派研修にてお話ししました。
・10月1日(日)真言宗豊山教員連盟(千葉)にてお話ししました。
・9月15日(金)曹洞宗岐阜県宗務所青年会共催研修会にてお話ししました。
・9月4日(月)向島仏教会にてお話ししました。
・7月27日(木)曹洞宗東北管区教化センター教化フォーラムにてお話ししました。
・7月26日(水)岩手県立大学社会福祉学部 宮城好郎ゼミにて、お墓と僧侶の社会貢献についてお話ししました。
・6月21日(水)曹洞宗埼玉県第一宗務所現職研修会にてお話ししました。
・4月13日(木)埼玉県曹洞宗教化研究会にてお話ししました。
・3月27日(月)真言宗智山教化センター勉強会にてお話ししました。
・3月20日(月・祝)、築地本願寺和田堀廟所の相談カフェに参加しました(途中2回ほどセミナー登壇あり)。
・3月18(土)、19(日)の両日、10時~築地本願寺にてお話ししました。
・2月25日(土)浄土真宗本願寺派(西本願寺)東京教区芝組公開講座にて、大來尚順さんとお話ししました。
・2016年12月5日(月)テレビ朝日羽鳥慎一のモーニングショー「墓じまい特集」で取材を受けました。
・2016年11月27日(日)曹洞宗福島布教の会でお話ししました。
・2016年11月17日(木)日本生命GLAD推進室にてお話ししました。