前半は、2020年の中小企業庁による「持続化補助金」の説明です。
メインの「経営計画書はこう書く」や後半のSWOT分析の内容は、他の助成金・補助金・融資などに幅広く使える手法です。
持続化補助金以外の一般的な「経営計画書」について読みたい方は、目次もしくは前の行のリンクからスキップしてください。
また最後に、「経営計画書は難しそうだから、あきらめる」という場合の経費削減方法のご提案もしています。
どうぞご参考にしてみてください。
新型コロナの影響で各種助成金・補助金が注目されているので、はじめてその名を聞いたというかたも多いと思います。
じつはこれまでも例年、募集されてきたもので、小規模事業者(個人・フリーランス含む)のブランディング、サイト構築、宣伝等のために中小企業庁・中小機構が日本商工会議所と連携して募集をしている補助金です。
日本商工会議所が申請先ですが、商工会議所の会員でなくても申請できます(弊事務所代表Okeiも「コロナ型」で申請しました)。
すでに受給されたかたも多い「持続化給付金」は、売り上げが50%以上減少した月があればもらえ、使途を特定されず自由に使える「給付金」でした。
こちらの「持続化補助金」は、「給付金」と違い、事業のために支出したものを「補助」してくれる制度なので、申請するときに、「どんなものに使い、いくらいるのか」をハッキリ書かなければいけません。
また、申請時に提出した事業計画通りに支出し、期間終了後に報告書も提出しなければなりません。
計画通りに実施しなかった場合は、修正報告なども必要ですから、安易に申請するとあとで苦労することになります。
なにより、「先に支出をする」➡「申請時の計画通りに支出したという内容の報告書を提出」➡「報告書が受理されたあと、補助金の振込」という順序ですので、補助金がなくても買える用意ができる状態(融資などの準備がある)でないといけません。
商業・サービス業(宿泊・娯楽業除く) | 常時使用する従業員の数 5人以下 |
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 | 常時使用する従業員の数 20人以下 |
製造業その他 | 常時使用する従業員の数 20人以下 |
それぞれの業種の区分の考えかたや、対象とならない法人形態については、恐れ入りますが、こちらのリンクをご参照ください。
持続化補助金には、例年実施されてきた「一般型」と、2020年に特設されている「コロナ型」の、2種類があります。
申し込みサイトも2つに分かれているので、手引きや申請書を、まちがえないようにしてください。
●どちらのタイプに応募できるかわからない場合は、こちらのチャートを参考にしてください。
●制度の大枠を知っていただくには、こちらのQ&Aを読んでください。文字も大きめで、とてもわかりやすいです。
Q. 両方のタイプに応募することはできるのでしょうか?
A.
応募は可能ですが、両方とも審査に通った場合は、どちらか一方しか受給できません。一方を取り下げることとなります。
また、同じ事業について、他の助成金等と合わせて受給することはできないので、ご注意ください。
応募要項を見てもわからない細かい点については、地域の商工会議所でわからないことを教えていただけますので(※ただし、「コロナ型」については、商工会議所作成の様式は「不要」となりました!)、ここでは省きます。
皆さまが一番「書きづらい」、「何を書いたらよいのかわからない」とおっしゃる「経営計画書」について、書けるようになるコツをお伝えします。
経営計画書を書く前に、数年後こうなりたいという「将来像」を強くイメージすることが大事。
どうすれば思い浮かぶのかを動画にしました。
まずは動画を見て、やれそう!なら記事を読み進めてください。
ちょっと無理そう! でもあきらめないで。経費削減のさまざまな方法もあります。
まずは、将来像のイメージを描くことが大事です。
持続化補助金とは、名前の通り、このままでは時代の流れから取り残されかねない事業者が、事業を「継続」してゆけるよう(生活扶助が必要な国民が増えすぎないために)、新しい事業の立ち上げのためにかかったお金の一部を、国が補助してくれるものです。
つまり、今までと同じ商売を続けるための支出(コピー機の入れ替え、PCの買い替えなど)は対象になりません。一眼レフカメラや冷蔵庫など、補助対象事業(つまり、新たに始める事業)以外の用途にも転用できてしまうものは、補助対象費用に入れることができません。
この補助金は、(コロナ型・一般型ともに)新しい時代の軌道に乗れるよう、サポートしてくれるものだからです。
いまは内閣府が「人生100年時代」と叫んでいるのですから、60代や70代はまだまだ現役。
とはいえ、「持続化」の趣旨からすれば、「事業承継について、どんな人物に、どう引き継ぎするか」も含めて記入すれば、採択されやすくなると思います。
昨日7月22日に「コロナ型」の第2回採択者一覧が発表されていますので、参考にしてください。
ほとんどが、「ECサイトの構築」、「ホームページの制作費用」、「通信販売の広告宣伝費」などで採択されていることがわかります。
とはいえ、オンラインやIT関連でなければだめというわけではありません。
たとえば、定食を中心に提供してきた料理店が、「地元の漁師と直接提携し、朝水揚げされたばかりの新鮮なネタを使い独自の手法で加工品をつくる」などという企画も採択されていました。
大手居酒屋チェーン店にはできない独自のサービスで、生き残りをめざす意欲が伝わったものと考えられます。
➡どうしても補助対象事業のために必要な品目については、「補助事業(新たな事業)のためだけに使うこと」を証明する資料をつけて、簡潔に理由を書いて、計上しておくこともできます。商工会議所スタッフの話によれば、たとえばPCやカメラを「この用途に使うので、他の用途に使うことはない」という説得材料をつけて計上した場合、「非対称と書かれた商品を計上していることを理由に、直ちに審査に落ちるものではないそうです。
申請書類のそれ以外の部分に問題がなければ、対象外の商品をのぞく経費について、審査通過となる」とのことでした。
「持続化」ありきの補助金なので、先細りでやる気のない事業者だと思われてしまうと、採択されません。
経営計画書の最初は、事業概要(現在の事業のようす)を書くようになっています。
経営者として、日ごろからポリシーを持って運営をしているかどうかが問われています。
ここではまず、顧客に感謝された場面を思い浮かべてみましょう。その事業で、これまでどんな人々の役に立ち、どのように必要とされてきたのでしょうか?
記入例に従うなら、「市場動向」と「経営方針」に分けて書くとよいでしょう。
➡どうすれば、喜んでもらえるお客さまに結びつくことができるのか?
ここまで分析すると、「市場動向」がまとめられます。
次に、創業からのポリシーを思い起こします。
時代の流れが変わろうとも、これだけは外せない、という商売魂のようなことを書きます。
➡裏返すと、「あなたがどうしてもココだけは譲れない商売魂」が浮かび上がります。
これで、「経営方針」がまとまります。
次に、「補助金がどのように役立つか?」を書いてゆきます。
企業の経営計画によく使われる手法で、SWOT分析というものがあります。
SWOT分析は、知的資産経営において用いられる手法のひとつで、次の①~④の頭文字を並べたものです。
①Strengths(内部環境の強み)
②Weaknesses(内部環境の弱み)
③Opportunities(外部環境から来るチャンス、追い風)
④Threats(外部環境から来る脅威)
内部環境 | 外部環境 | |
強み | ①Strengths 強み | ③Opportunities チャンス、追い風 |
弱み | ②Weaknesses 弱み | ④Threats 脅威 |
・①②は自分たちで変える努力をすることができるが、③④は内部の力で変えることができない。
・他の業界(葬祭業界)やライバル(新興宗教等)の成功要因を分析するのに、③④を用いる。
・③④に呼応できるよう、①②を修正していく。脅威を恐れないための発想の転換をする。
↓こちらは、曹洞宗という宗派の将来像策定会議のとき作成した、SWOT分析の一例です。
・「キラーパス」とは、部分的にみると「非合理」なのに、誰も思いつかないので、それが「有利」となるポイント。
・キラーパスは、傍目にみれば非合理なので、業界内で「まねされにくい」。
・SWOT分析での「弱み」を「強み」に転換するとき、キラーパスの発見が役立つ。
この表で、「部分的にみると」とは、業界内の常識。「全体的にみると」は、顧客を含め「誰からみても」ということを示しています。
・左上のマスは、業界内でも、顧客から見ても、「合理的」なこと。
・右上のマスは、業界では「合理的」とされているけれども、顧客からみれば「非合理」なこと。
・右下のマスは、業界からみても顧客からみても「非合理」な点。
・左下の赤字になっているマスこそが、「キラーパス」。業界では非合理とされているけれども、顧客からみると合理的である内容。
たとえば、飲食/喫茶店業界にはかつて、「回転率を良くするために、多少居心地のよくないテーブルと椅子にしたほうがよい」という思い込みが流布していました。
ところが、スターバックスはこの「業界の常識」を破り、非効率とされる手法をたくさん用いているのに、成功しました。なぜでしょうか。
左下の「キラーパス」を見ると、スターバックスの選んだ道が、「顧客からみれば合理的であった」ことがよくわかります。そのため、単価が他のカフェチェーンよりも高めでも繁盛しているのです。
SWOT分析は、今回の持続化補助金だけでなく、各種助成金や銀行融資を受ける際にも、非常に有用です。
毎年、分析をし直すようにしておくと、つねに3歩先を見据えての経営が実現でき、事業も円滑に進みます。
ホームページをつくりたかったから申請したいけれど、とても面倒そう。報告書も大変そうだし、いまから各商品の見積をとって申請するのはちょっときつい……と諦めはじめたかたへ。
自社ホームページを業者に丸投げで、40~50万円かけたのに、つくりっぱなしで放置になっていませんか?
ホームページは、更新頻度で検索順位が大きく変わります。そのため、ブログを併用できるWordpressがブロガーたちには好まれています。
弊事務所はWordpressで3つのサイトをつくっています。
テーマは、こちらのLIQUID PRESSを使っています。
WordPressテーマならLIQUID PRESS50代、シルバーグレイのOkeiにも、管理できています!
プロではないので手作り風にはなりますが、導入のお手伝いは日当のみ(1回1万円+交通費)でいたします。
あわせて、今後の経営計画や、事業承継(遺言・相続・墓じまい等)のご相談にも乗れますので、お気軽にコンタクトください。
弊事務所でも2014年から、こちらのMFクラウド会計で楽に確定申告しています。
インターネットで情報を見られる金融機関であれば、MFクラウドと提携させれば入出金が自動記帳されるので、記帳の手間が半減します。
月額数百円上乗せで、「MF請求書」を契約すれば、見積書・請求書・領収書をボタンひとつで郵送してくれます。
そのうえなんと、クレジットカード決済にも対応。
カード決済があれば何度も請求しなくてすむのに……
という思いをされたことはありませんか?
個人の顧客からの依頼を受けるフリーランスのかたには、強い味方となります。
こちらについても、日当にて導入サポート、記帳指導できますので、どうぞご相談ください。