スマートな隠居を、あらゆる世代へ

2000年に成立した成年後見制度が、10年以上たってようやっと認知されてきたのはよいことです。

しかし最近、「これさえ申し立てれば安心!」と、成年後見制度を過信されてのご相談が増えています。

☑後見制度支援信託というものを利用するため、被後見人の預金を信託銀行へ移すよう促された。
☑たしか父は遺言を作成したはずだが、預金を信託銀行へ移してしまったら、遺言内容は実現できないのでは?
☑父は毎年春・秋に温泉旅行を楽しんでいた。後見制度支援信託にしたら現預金は数百万円しか残らないが、毎年数回旅行に連れていくのに、いちいち後見監督人の承諾をもらわなければならないのか…

後見制度支援信託による財産の塩漬け

後見人による財産横領などが多発したため、家庭裁判所はいわば保身のため、大きな財産(おおむね500万円以上の現預金)は信託銀行へ預けるよう促すようになりました。
この動きにより、財産は塩漬けとなり、本人の人となりをよく知る親族が後見人であったとしても、“その人らしい使いかた”がしづらくなっていると言われます。

後見制度と遺言の矛盾

さきほどの2項目めの☑では、「遺言があるはず」と親族が聞かされていたので、家庭裁判所に遺言があることを申し出れば、後見制度支援信託の利用は見送られます。
しかし、遺言があるかないかがわからない場合にこの後見制度支援信託で預金が動いてしまうと、遺言に書かれた内容が実現できないケースも出てきます。
公正証書遺言を作成してあったとしても、公証役場は本人以外からの遺言の有無の照会には応じられないこととなっているので、親族も家裁も遺言の有無を知る手立てがありません。

支援信託を利用しなくても

また、遺言でこのように指定してあったとしましょう。

1.自宅は妻へ
2.賃貸用のワンルームマンションを長男へ
3.預金は長女へ

法定後見の申し立てが行われて後見人がつき、本人の施設入所のため資金が必要となり、自宅は残してマンションだけを売却してしまった場合(賃貸用物件の処分は比較的容易に行われてしまいます)、長男は遺産をもらえなくなってしまいます。

これでは、3人の法定相続人になるべく平等に遺産を遺したいと早くから公正証書遺言をこしらえていた本人の意思が活かされたことになりません。
もっとも、本人は認知症な上、死後の話なので異議を申し立てることもないのですが…

認知症の心配がないうちからの対策を!
「任意後見+家族信託」がベストな選択

本人が元気なうちに対策を語りあうのは、とても荷が重いことです。
しかし、以上のような矛盾や非合理な状態を避けるには、法定後見を申し立てる事態となる以前の元気なうちに、①「家族のための民事信託(=家族信託)」と②「任意後見」をセットにして考えておくことがベストです。

◆当事務所では、「公正証書遺言+任意後見契約+尊厳死宣言(医療行為についての意見書)」の3点セットに、場合によって「家族信託」を組み合わせた総合的なご相談を受任しております。
◆おひとりさまで、お寺の永代供養墓や納骨堂を契約されているかたには、お寺との間で「死後事務委任契約+公正証書遺言」を作成されることもお薦めしています。

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☞【新刊予告】『聖の社会学』イースト新書(907円+税)2017年4月8日はなまつり頃から書店店頭に並びます。
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・3月18(土)、19(日)の両日、10時~築地本願寺にてお話しします。
・3月20日(月・祝)、築地本願寺和田堀廟所の相談カフェに参加します(途中2回ほどセミナー登壇あり)。
・3月27日(月)真言宗智山教化センター勉強会にてお話しします。
・4月13日(木)埼玉県曹洞宗教化研究会にてお話しします。
・6月21日(水)曹洞宗埼玉県第一宗務所現職研修会にてお話しします。
・7月27日(木)曹洞宗東北管区教化センター教化フォーラムにてお話しします。
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【過去の情報】
・2月25日(土)浄土真宗本願寺派(西本願寺)東京教区芝組公開講座にて、大來尚順さんとお話ししました。
・2016年12月5日(月)テレビ朝日羽鳥慎一のモーニングショー「墓じまい特集」で取材を受けました。
・2016年11月27日(日)曹洞宗福島布教の会でお話ししました。
・2016年11月17日(木)日本生命GLAD推進室にてお話ししました。
・2016年10月23日(日)浄土真宗築地本願寺和田堀分院報恩講にてお話ししました。
・2016年7月20日(水)浄土宗西山禅林寺派(姫路地区)にてお話ししました。
・2016年7月11日(月)真宗興正派西讃教務所僧侶研修会にてお話ししました。
・2016年7月9日(土)江東区の「女性センター」にて、「シニア起業のすすめ~老後プランを起業が支える」を開催しました。後編は2016年8月20日(土)猪田昭一税理士による「事業計画書作成のツボコツ」です。
・JWAVE番組Jam the WorldのCase Fileという5分コーナー(21:25~21:30頃)で、6/26(月)~7/1(金)まで5日間、「派遣僧侶」についてお話ししました。
・2016年6月29日(水)曹洞宗福島布教の会にてお話ししました。
・2016年6月17日(金)千葉県曹洞宗青年会にて「宗教法人の相続の心得」についてお話ししました。
・2016年5月11日(水)昨年にひき続き、福岡県祖門会にてお話ししました。
・2016年4月8日(金)浄土宗教化研修会館オープニングシンポジウムに山折哲雄先生と出演しました。
・2016年2月27日(土)鳥取県行政書士会にて「葬儀から見た行政書士業務」についてお話ししました。
・2016年2月13日(土)池袋FPフォーラムにて、「額に皺の寄らない遺言相続」というテーマでお話ししました(ボランティア講師)。
・2016年2月9日(火)浄土宗青年会全国大会にて「競争原理の枷を外す“いいお坊さん”になろう」というテーマでお話ししました。
・2016年1月13日(水)永観堂にて禅林寺派研修にてお話ししました。
・2015年12月13日(日)宮城県曹洞宗青年会にてお話ししました。
・2015年11月27日(金)上尾市仏教会にてお話ししました。
・2015年10月30日(金)千葉県曹洞宗青年会にてお話ししました。

・2015年10月28日(水)曹洞宗学術大会にて、「寺院再編論」を発表しました。

・曹洞宗宗務長将来像策定分科会委員として、およそ2年にわたる第1~第2分科会の委員任期を終えました。
※特別座談会の模様はこちら

・2015年7月22日 東京都行政書士会 目黒・港・品川・大田支部合同研修にて、墓地と死後事務の最前線についてお話ししました。
・2015年6月23日 安中市仏教会にて「スマートな隠居~好々爺&キュートなおばあちゃんになろう!~②」という内容で、昨年にひき続きお話ししました。
・2015年5月22日 福岡祖門会にて、地域の核としてお寺を活かすには?という内容でお話ししました。
・2015年4月19日 安中市桂昌寺にて、檀信徒さま向けにお話ししました。